クリニックの残業が減らない原因と対策5選!業務効率化で離職を防ぐ
- 2025年10月30日
- 自動釣銭機・セミセルフレジ,自動精算機

残業が常態化し、スタッフの疲弊と離職に悩むクリニックが増えています。
クリニックの残業問題は、サービスの質や経営効率の悪化につながる深刻な課題です。
本記事は、クリニックの残業が減らない根本的な原因と、今すぐ実行できる5つの残業削減策を解説します。
残業の要因となりやすい「会計業務の自動化」に焦点を当て、スタッフの定着率を高め、持続可能なクリニック経営を実現するための方法をお伝えします。
Table of Contents
クリニックの残業の現状
まずは、一般的にクリニックで発生している残業の平均時間と、病院との違いをしっかりと把握しましょう。
クリニックの残業の平均時間
クリニックの残業時間は、診療科や地域、院長の方針によって異なりますが、残業が常態化しているケースが多く見られます。
医療事務スタッフの残業は、レジ締めやカルテ整理、レセプト請求準備などが原因で発生しやすく、月平均10〜20時間程度の残業があるクリニックは少なくありません。
繁忙期や月末月初にはさらに残業時間が増えることもあり、これがスタッフの疲弊と離職の原因となっています。
クリニックと病院の残業の違い
クリニックと病院の残業の違いは次の表のとおりです。
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クリニック |
病院 |
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残業が発生しやすい時間帯 |
診療後に集中 |
勤務時間中・引き継ぎ時間・夜勤前後など分散 |
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残業の主な原因 |
会計・レセプト・片付けなど定型業務の遅延 |
急変対応・緊急オペなどイレギュラー対応 |
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残業の傾向 |
特定のスタッフに負荷が集中しやすい |
チームで分担されることが多いが長時間になりやすい |
クリニックの残業は、上記のように定型業務の積み残しが主な原因です。
このため、システム導入による業務効率化が、残業削減に効果的となります。
クリニックの残業が常態化する主な原因

残業が減らないのは、スタッフの努力不足ではなく、クリニック特有の構造が原因です。
ここでは、残業を慢性化させている根本的な原因を解説します。
受付・会計業務の手作業が多い
クリニックの残業の原因は、受付から会計までの業務に手作業が多く残っていることです。
現金でのやり取りや紙ベースのカルテ、手入力でのレセプト準備などが原因で、人の手による作業時間が長く、ミスが発生しやすいからです。
特に、会計業務は診療が終了するまで完了できず、閉院後の残業に直結します。
一日の診療が終わった後、「レジ締め」に多くの時間を費やすのです。
スタッフ間で役割分担が曖昧
残業が発生しやすいクリニックは、スタッフ間での役割分担や責任範囲が曖昧になっている傾向があります。
少人数で運営するクリニックでは、全員で業務を兼任する状況が起こりやすく、効率が悪くなりがちです。
例えば、診療中に電話が鳴った際、受付スタッフや看護師の誰が取るのかが明らかでないと、他の作業を中断して全員が電話に気を取られたり、逆に誰も出ずに患者を待たせてしまう事態が発生します。
結果として、診療後の情報共有や後処理が増えて残業につながります。
閉院後の雑務・片付け・記録作業
閉院後の診療時間外に、診療時間中に手が回らなかった雑務やルーティン作業が集中することで、残業が常態化します。
患者対応を優先するため、診療時間内に雑務、具体的には清掃や備品整理、翌日の準備などを後回しにする傾向があるからです。
これらが積もると、閉院後1時間以上かかることも珍しくありません。
クリニックの残業削減のために今すぐできる5つの対策
残業問題は、適切な対策を講じることで改善できます。
ここでは、クリニックの残業の主な原因を解消するための5つの対策を紹介します。
1.自動精算機の導入で会計業務を効率化
残業削減の効果が高いのは、自動精算機の導入による会計業務の自動化です。
残業の主な要因であるレジ締めや、診療後の会計待ち対応といった業務の負担を軽減できるからです。
自動精算機を導入すると、患者自身が会計を済ませるため、スタッフは現金に触れなくて済むようになります。
関連記事:【2025年最新版】クリニックの会計革命!「自動精算機」vs「セミセルフレジ」どっちが最適?それぞれのメリットと選び方
2.オンライン予約・問診システムで受付負担を軽減
オンライン予約・問診システムの導入は、診療時間中の受付スタッフの残業となる業務を削減します。
電話対応や紙の問診票の回収・入力といった、時間と手間のかかる作業を患者さんに事前に完了してもらえるからです。
Web予約システムを導入すれば、スタッフは予約電話の対応に時間を割く必要がなくなり、患者さんの待ち時間管理も簡単になります。
また、Web問診システムを導入すれば、受付スタッフは紙の問診票を読み解き、電子カルテに手入力する手間がゼロになるため、診療後の入力作業による残業を防げるでしょう。
3.電子カルテのテンプレート化
電子カルテの記載時間を短縮するためには、頻繁に利用する診療パターンや処置内容をテンプレート化することが有効です。
医師や看護師が毎回の診療で同じ内容を一から入力する手間を減らし、診療後のカルテ入力の積み残しによる残業をしなくて済むからです。
風邪や高血圧症など、日常的な診療で使う病名や検査オーダー、処方内容、指導内容などをテンプレートとして登録しておきます。これにより、クリックやショートカットキーだけで入力が完了し、カルテの記載時間を短縮できた結果、一日の残業時間を削減できます。
4.シフト・業務フローの見直し
残業を減らすには、「残業が発生しやすい時間帯」に人的リソースを重点的に配置するなど、シフトと業務フローを最適化すべきです。
業務を均等に分担するのではなく、業務量が多い時間帯や特定の業務に専念する担当者を設けることで、待ち時間の発生を防ぎ、業務をスムーズに進められるようになります。
具体的には、午後の診療開始直後や閉院間際など患者さんが集中する時間帯に、受付・会計担当を増やします。
また、レセプト作成が集中する月末月初のみ、レセプト専任のスタッフを配置することで、スタッフが定時で帰れる体制を構築できるでしょう。
5.院長・スタッフ間のコミュニケーション改善
残業削減のためには、業務連絡や情報共有を円滑にする院長・スタッフ間のコミュニケーション改善が欠かせません。
情報伝達のミスや確認のための待ち時間、業務の指示の曖昧さなど、コミュニケーション不足が原因で発生する残業もあります。
診療時間中にチャットツールや電子カルテのメモ機能で必要な情報を共有したり、残業が発生している原因や不満をスタッフから集めるミーティングを実施したりすることで、問題を解決できるはずです。
クリニックの残業を放置するとどうなる?
残業の常態化は、クリニックの存続に関わる深刻な経営リスクを招きます。残業を放置することで発生する負の連鎖を理解し、そのリスクを防ぐ必要があります。
スタッフの離職につながる
残業を放置すると、身体的、精神的な負担から優秀なスタッフが離職していきます。
さらに、離職したスタッフの業務が残されたスタッフに加わることで、他のスタッフも離職する恐れがあります。
結果として、クリニックは常に人手不足の悪循環に陥るのです。
採用コスト・教育コストが増大する
残業を放置してスタッフの離職率が高まると、クリニックは採用活動を常に行う必要があります。
求人広告費や紹介会社への手数料といった採用コストが増大するだけでなく、新人スタッフへの教育にかかる既存スタッフの人件費も増大するため、教育コストもかさみます。
残業を減らす方が、これらのコストを削減する効果的な方法です。
患者満足度が低下する
残業が常態化すると、スタッフは疲労とストレスから心の余裕を失い、患者さんへの対応が雑になったり、笑顔が減ったりします。
患者対応の質が低下し、「スタッフがバタバタしていて全然対応してもらえない」「スタッフが無愛想で親切ではない」といったネガティブな口コミにつながり、新規患者の獲得にも悪影響を与えます。
関連記事:医療事務効率化が図れる6つの理由!自動精算機でクリニックの会計革命
クリニックの残業に関するよくある質問
ここでは、クリニックの残業に関して気になる「残業時間の相場」や「法律上の基準」について回答します。残業問題への理解を深めましょう。
クリニック看護師の残業時間はどのくらいですか?
病院に比べると、クリニックの看護師の残業時間は少ない傾向にあり、一般的には月平均5〜15時間程度とされています。
小児科や耳鼻科など患者さんが集中しやすいクリニックでは、診療が長引き、月20時間を超えることもあります。
ただし、看護師の残業時間は診療科のほかに、クリニックの規模や業務内容によって異なるため、あくまでも目安としてください。
クリニックの残業時間は何時間で労働基準法違反となりますか?
労働基準法では、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて労働させる場合、36協定を締結し、労働基準監督署に届け出る必要があります。
36協定がある場合でも、原則として月45時間、年間360時間が残業の上限であり、特別な事情がなければこれを超えられません。
年720時間、複数月平均80時間を超える残業は違法となります。
クリニックで残業30時間はホワイトですか?
一般的な水準で見ると、残業30時間は決してホワイトとは言えないでしょう。
というのも、厚生労働省の調査によると、日本の平均的な残業時間は月10時間であるからです。
そのため、クリニックがホワイトかどうか残業時間で判断する際には、この時間を目安にすると良いでしょう。
クリニックの残業は多くなる傾向!自動精算機を導入して業務の効率化を進めよう

クリニックの残業は、「閉院後の定型業務の積み残し」が主な原因であり、この問題を放置することは、スタッフの離職、採用コストの増大、そして患者満足度の低下という経営リスクの悪化に直結します。
残業削減の対策は多岐にわたりますが、即効性があるのは「会計業務の自動化」です。
自動精算機の導入は、スタッフを現金管理という重い責任と時間のかかる作業から解放し、残業を削減します。
まずは、残業を解消するシステム導入から、業務効率化を進め、スタッフが長く働けるクリニック経営を目指しましょう。
メディスマレジは、医療業界に特化した設計と機能でクリニックに選ばれています。ぜひ、クリニックの残業時間の削減にお役立てください。
<参考サイト・文献>
著者PROFILE

- 医療機器メーカー営業としてキャリアをスタートした後、医療ITベンチャーにて生活習慣病向けPHRサービスのプロダクトマーケティング責任者をはじめ、メルプWEB問診の事業責任者を経験。その後、クリニック専用の自動精算機・自動釣銭機の商品の企画・開発を手がけ、現在は「医療を便利にわかりやすく」をミッションにスマートクリニックの社会実装に向け同事業の企画・推進を担当。




