クリニック向け自動精算機の価格と導入のポイント
- 2024年7月10日
- 自動精算機
「おつりの間違いをなくしたい」「レジ締めを簡単にしたい」「どの自動精算機を導入すれば良いかわからない」
このようなお悩みを持つクリニックは多いのではないでしょうか?
厚生労働省の調査によると、病院への満足度が低い項目は「診察までの待ち時間」であり、不満と回答している割合は23.9%です。
クリニックでも同様に、待ち時間を気にする患者さまは多いと言えます。
診察までの待ち時間を短縮するためには、WEB予約やWEB問診などが役立ちますが、診察後には会計の待ち時間も生じます。
自動精算機があればその時間を短縮できるため、患者満足度に繋がります。
くわえて人手不足の解消や、お金の受け渡しが正確にできるため、業務の効率化が見込めるでしょう。
現代においては、医療機関の規模を問わず、患者さまの待ち時間短縮に対する取り組みは必須の課題といえるでしょう。
本稿では自動精算機の基本的な情報や、導入のメリットについて、詳しく紹介していきます。
目次
1. 自動精算機の基本情報
1.1自動精算機の基本機能と利用方法
自動精算機は、人の手を介さずにスピーディな精算が実現できる機械です。
自動でおつりの計算ができるため、おつりの渡し間違いを防ぎます。
また、患者さまのタイミングで精算できるため、医療事務だけでなく、患者さまの負担が減ることもメリットです。
多くのクリニックでは、限られた人員で患者さまに対応しています。
さまざまな業務をマルチタスクで行うため業務が煩雑になりやすいといえます。
自動精算機の導入により、会計業務の負担が減り、ヒューマンエラーの軽減が期待できるでしょう。
1.2 自動精算機導入のメリット
自動精算機を導入するメリットとしては主に以下の4つが挙げられます。
- 会計業務の効率化
- 会計業務のミス防止
- セキュリティの向上
- 患者満足度の向上
それぞれ詳しく解説しています。
1.2.1 会計業務の効率化
自動精算機を導入すると、医療事務は会計業務を行う必要がなくなるため、大幅に業務の効率化が図れるでしょう。
精算準備ができたあとは、患者さまがご自分のタイミングで精算を済ませることができます。
診察後の患者さま対応の負担が軽減されます。
また、自動精算機がレセプトコンピュータや電子カルテと連動できるものであれば、会計が確定すると自動で精算機の方に反映されるため便利です。
1.2.2 会計業務のミス防止
自動精算機を使用すれば、おつりの受け渡しによる会計業務のミスを防ぐことができます。
会計業務では、おつりの間違いはつきものです。
正しくやり取りしたつもりでも、忙しく業務を行う中では見落としが多くなり、ヒューマンエラーが起こりやすくなります。
自動精算機では機械的にお金のやり取りを行うため、会計の締め作業も簡略化されます。
締め作業でのお金の計算や、紙幣や硬貨の枚数が合わずに、会計を見返すといった手間もなくなるでしょう。
1.2.3 セキュリティの強化
自動精算機では、現金の取り出しの際にパスワードでセキュリティが保護されています。
従来のレジのように、ボタンを押せばレジが開くような簡単なものではないため、セキュリティの強化が可能です。
簡単にお金を取り出せないため、盗難防止になります。
また、操作履歴を確認できるものもあるため、ミスや不正な操作があった場合でも簡単に確認作業が行なえるでしょう。
1.2.4 患者満足度の向上
自動精算機の導入により、患者さまの会計の待ち時間が減少し、患者満足度の向上が期待できます。
従来のように、会計窓口で医療事務が会計の対応をする場合、呼び出した時に患者さまが席を外していると、スムーズに会計が終わらず困ったという経験をお持ちのクリニックもあるでしょう。
診察時に長時間待ったあとに、さらに会計でも待つ必要があると、ストレスや不満が倍増してしまう患者さまもみられます。
そのため、自動精算機によって会計だけでも待ち時間が減少すると、患者満足度は向上するでしょう。
また、現金だけでなく、クレジット決済やコード決済など、様々な決済方法が選べることでスムーズな会計を実現できます。
関連記事:自動精算機をクリニックで使うメリット7選!患者満足度を向上させよう
2.自動精算機の価格構成
自動精算機を導入する場合、初期費用だけでなく、購入後も維持費用や消耗品などを負担する必要があります。
それぞれ詳しく解説していきます。
2.1 初期費用
初期費用としてかかるものは、自動精算機本体と設置や設定に関するものです。
自動精算機の本体価格は幅広く、1台につき20万円程度のものから500万円以上かかるものまであります。
レセプトコンピュータや電子カルテと連動させるようなオプションを追加すると、さらに追加の費用が発生する可能性があります。
機能が充実するほど、価格が高くなる傾向です。
ほかにも設置や設定の費用がかかります。
高度な機械のため、専門業者に設置の依頼が必要です。
価格は業者によって異なるため、購入を検討する際に、設置や設定の費用は確認しておきましょう。
2.2 維持費用
自動精算機は購入して終わりではなく、定期的な保守点検が必要です。
業者によって異なりますが、維持費用として約月5万円ほどかかります。
トラブルなく自動精算機を使うためには、主に以下のような費用が発生します。
- 定期点検・修理などのサポート(保守)
- ソフトウェアのアップデート
- キャッシュレス決済の決済手数料
決済手数料は、業者や取扱金額によって異なります。
具体的な金額は導入する業者や決済サービスプロバイダとの契約時に確認しましょう。
2.3 その他の関連費用
初期費用や維持費用のほかに、トレーニング費用や消耗品なども負担しなければなりません。
自動精算機を導入したら、操作に慣れるためのトレーニングが不可欠です。
自動精算機を導入してもスムーズ操作できないと、逆に手間がかかってしまい、スタッフだけでなく患者さまにも負担がかかります。
そのため、多くの業者ではトレーニング機能を備えており、簡単に練習ができるため、スムーズに導入することが可能になっています。
3.自動精算機の価格帯
自動精算機の価格はおおまかに分けると以下のようになります。
価格帯 |
医療機関の規模の目安 |
自動精算機の種類 |
20万円~50万円 |
小規模クリニック |
自動釣銭機(※1) |
50万円~100万円 |
中規模クリニック |
POSレジ(※2) 自動精算機 |
100万円以上 |
大規模クリニックや病院 |
自動精算機 |
あくまで目安なので参考程度にご確認ください。
50万円以下のものは自動釣銭機が多く、小規模のクリニックで導入されることが多い機種です。
比較的リーズナブルなため導入しやすいことが特徴です。
50万円~100万円程度になると、中規模クリニックで導入するようなPOSレジや、簡単な自動精算機となります。
POSレジの場合、以下の種類から選べるでしょう。
- PC型
- ターミナル型
- タブレット型
自動精算機に比べると導入しやすいでしょう。
100万円以上の自動精算機は、大規模なクリニックや病院で導入されるものになります。
機能は充実していますが、その分費用負担が大きいため、購入する際は十分に検討しましょう。
費用負担を少しでも減らしたい場合は、レンタルや補助金を利用することもおすすめです。
自動精算機と自動釣銭機の違いについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:「自動精算機」と「自動釣銭機」の違いは?クリニックごとの選び方を解説!
※1 自動釣銭機:現金を機械に投入して、自動でおつりが出てくるレジのこと
※2 POSレジ:自動釣銭機に、販売や売上などのデータを一括で管理できるシステムが追加されたレジのこと
4.コストパフォーマンスの評価
自動精算機をうまく活用すれば、コストパフォーマンスが良く、スタッフの負担軽減につながります。
企業の支出で大部分を占めるのは人件費といわれています。
たとえば、自動精算機導入前まで、受付・会計入力・精算の3人の医療事務が必要だったクリニックでは、導入後、受付・会計入力の2人だけでまかなえる可能性があります。
これだけで、人件費が削減できます。
精算業務をしている人が受付や会計業務をサポートすれば、業務効率がアップするでしょう。
また、自動精算機がお金のやり取りを全て行うため、精算に関するミスが削減されます。
どんなに気をつけていても、人間なのでヒューマンエラーはつきものです。
人的ミスがなくなるだけでも、その分、業務ははかどるため、結果的にコストパフォーマンスはアップします。
5.自動精算機の選び方
自動精算機を選ぶ際には、以下のポイントをおさえて、クリニックに合うものを選びましょう。
- 価格
- 機能
- 大きさ
- サポート
自動精算機は、種類によって価格が大幅に変わります。
価格は、機能が充実するほど高価になる傾向があるため、どのような機能が必要かを洗い出す必要があります。
患者さまの未収金に悩むクリニックにとっても、自動精算機はおすすめです。
クレジットカードやバーコード決済に対応したものにすると、手数料はかかりますが、支払いの選択肢が増えるため未収金対策にもなるでしょう。
以前は、自動精算機を導入したくても、機械自体が大きいため、場所の確保が難しく断念したクリニックも多いのではないでしょうか。
近年では、小型化やスリム化が進んでいるため、あまり場所をとらなくなっています。
自動精算機を検討する際は、実際の商品だけでなく、どのようなサポートがあるのか、メンテナンスや保証はどういったものがあるのかを確認しておくといいでしょう。
トラブルがあっても即座に対応できる商品を選ぶことで、スムーズな運用と患者満足度の向上が期待できます。
クリニックに合った適切な自動精算機の導入は、運営効率を高めるだけでなく、患者さまも利用しやすくなるでしょう。
自動精算機がトラブルを起こした際の対処法については、下記の記事をぜひご覧ください。
関連記事:自動精算機のクリニックのサポートとは?比較する4つのポイントを解説
まとめ
自動精算機の導入は、クリニックの運営効率と患者満足度の向上に欠かせないものです。
導入の際には、クリニックに合った適切な機種を選び、計画的に導入する必要があります。
患者数や取扱金額に応じた機種を選ぶことで、スムーズな運用が可能となります。
また、長期的な投資効果を最大化するためには、信頼性の高いメーカーを選び、保証内容やサポート体制を確認するようにしましょう。
MEDIREGIの自動精算機は、簡単操作と迅速な処理が特長で、待ち時間の短縮や精算ミスの防止に貢献します。
スタッフの操作が必要なく、患者さまのみで操作が可能です。スタッフ、患者さまのどちらもストレスなく会計できるため、おすすめです。
著者PROFILE
- 医療機器メーカー営業としてキャリアをスタートした後、医療ITベンチャーにて生活習慣病向けPHRサービスのプロダクトマーケティング責任者をはじめ、メルプWEB問診の事業責任者を経験。その後、クリニック専用の自動精算機・自動釣銭機の商品の企画・開発を手がけ、現在は「医療を便利にわかりやすく」をミッションにスマートクリニックの社会実装に向け同事業の企画・推進を担当。
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