クリニックの会計をスムーズに!失敗しない自動精算機導入のチェックポイント
- 2025年2月14日
- 自動釣銭機・セミセルフレジ
クリニックの受付業務は、患者対応や会計処理などの業務が集中するため、スタッフの負担が増え、待ち時間が長くなるという課題を抱えています。
課題解決のために、自動精算機の導入を検討するクリニックが増えています。
ただし、どんな機種でもいいわけではありません。
クリニックに適した機種を選ばなければ、業務効率が低下する可能性があります。
この記事では、クリニックに適切な自動精算機を導入するためのポイントをくわしく解説します。
自動精算機を導入する前に確認すべき注意点をチェックリスト付きで紹介しています。ぜひ参考にしてください。
目次
導入前のクリニックの課題を明確にする
クリニックに自動精算機を導入する際は、受付の課題を明確にし、それを解決できる機種を選ぶことが重要です。
クリニックの受付における主な課題には、次のようなものがあります。
- 人手不足により受付業務の負担が増大
- 会計待ち時間が長く、患者さんの不満につながる
- 現金会計の手間やキャッシュレス対応の遅れ
会計を効率化する自動精算機を導入することで、スタッフの業務の負担を減らし、患者さんの待ち時間を短縮することが可能です。
長い待ち時間は、患者さんが不満を抱きやすいものです。厚生労働省による「受療行動調査(令和2年)」では、診察までの待ち時間に不満を感じている患者さんは23.9%であることが明らかになりました。
さらに、診察待ち時間が長いほど不満を感じる患者さんが増えるという傾向があります。
クリニックの受付業務を見直し、効率性を高める適切な自動精算機を導入することは、スタッフの負担軽減と患者さんの満足度の向上、いずれにも貢献できます。
より良い医療サービスを提供するために、自動精算機の導入を検討して、受付業務の効率化をはかりましょう。
注意点①初期費用・運用コストを事前に試算する
クリニックに自動精算機を導入する際は、初期費用やランニングコストを把握することが重要です。
コストパフォーマンスを考慮しないまま導入すると、運用コストが想定以上に膨らみ、経営を圧迫してしまう可能性があるためです。
自動精算機の導入には、機器の購入費用や設置費用のほかに、月額の保守費用や決済システムの手数料が発生します。
クリニックに必要な機能がある自動精算機を適切に選ぶことで、コストを抑えながら受付業務の効率化が可能です。
そのため、自動精算機を導入する際は、単なる設備投資ではなく、長期的な視点での投資効果の試算が大切です。
自動精算機の導入前に初期費用とランニングコストをしっかり比較し、無駄な出費を抑えながら、業務の効率化をはかりましょう。
注意点②患者層に合った操作性を重視する
自動精算機を導入する際は、患者層に合った操作性にすることが不可欠です。
機械が苦手な患者さんが使いやすい設計でないと、混乱を招き、業務負担が増える恐れがあります。
患者さんの中には、機械の操作が苦手な方もいるため、複雑な操作が必要なシステムではスムーズに受付が進みません。
直感的に操作できるUI(ユーザーインターフェース)を採用することで、患者さんがストレスなく利用でき、受付スタッフの負担軽減にもつながります。
以下のようなデザインや機能が採用されているものであれば広い患者層で使いやすいでしょう。
- タッチパネル式
- 大きなボタン
- 音声案内
また、上記に加えて、操作方法を掲示し、操作が分からないときはスタッフがフォローできる体制を整えることで、自動精算機のスムーズな利用につながります。
自動精算機を選定する際は、最新技術を導入するのではなく、患者さんの立場で操作のしやすさを考える必要があります。
これにより、クリニックの業務効率と患者満足度の向上が実現できるでしょう。
*UI(ユーザーインターフェース):患者さんと自動精算機との接点をあらわし、見た目や使いやすいデザインのこと
注意点③電子カルテ・レセコンとの連携を確認する
自動精算機を導入する際は、電子カルテやレセプトコンピュータとの連携の確認が重要です。
自動精算機が既存のシステムと連携ができないとデータ入力の二度手間が発生するため、業務の効率化どころか負担が大きくなる可能性があります。
これにより、診療の流れが悪くなり、患者さんの待ち時間が長くなる原因にもなります。
また、会計の手入力は会計入力のミスを生じるリスクがあるため、システムの連携がおすすめです。
事前にベンダーと調整をおこない、従来のシステムとうまく連携した某クリニックでは、受付から診療、会計までの流れがスムーズとなり、導入当初から業務効率が向上しました。
自動精算機を導入する前にはメーカーやベンダーと調整して、実際の運用に問題がないかを慎重にチェックし、受付業務の効率化と医療サービスの向上につなげましょう。
注意点④キャッシュレス決済の対応範囲を決める
キャッシュレス決済を導入する際は、クリニックの特徴や患者層に適した対応範囲を決める必要があります。
支払い方法を適切に選ばないと、手数料負担が大きくなったり、逆に患者さんの利便性が低下したりする可能性があるからです。
キャッシュレス決済には、クレジットカード・QRコード決済・電子マネーなど多様な方法があり、それぞれ導入コストや運用面で違いがあります。
キャッシュレス決済は利便性が高いですが、決済手数料が発生します。また、クレジットカードでの支払いは、カード会社からクリニックに入金されるまでのタイミングが遅れるため、会計処理には注意が必要です。
クリニックの患者層によっては、現金支払いを完全になくすことは難しく、併用を考慮する必要があります。
キャッシュレス決済を導入する際は、対応範囲を明確にし、手数料や入金サイクルを考慮した上でその対応を選択することがおすすめです。
また、患者さんの利便性を高めながらも、現金支払いとのバランスを適切にとることで、クリニックの運営負担を軽減し、スムーズな受付・会計を目指しましょう。
注意点⑤トラブル時の対応とサポート体制を確認する
自動精算機を導入する際は、故障時の対応スピードやサポート体制を事前に確認することが重要です。
万が一システムが停止すると、受付業務が混乱し、患者対応に支障をきたす可能性があります。
医療機関では、受付業務が円滑に進むことが求められますが、システムの故障やネットワークトラブルが発生した際、迅速に復旧できなければ、診察の遅延や患者さんの不満の増加につながります。
とくに、サポート体制が弱いベンダーのシステムを導入すると、復旧までに時間がかかり、受付スタッフの負担が増加するリスクがあります。
また、緊急時の対応方法を用意しておかないと、システムが停止した際に業務が完全にストップしてしまう可能性もあります。
自動精算機を導入する際は、サポートが充実したベンダーを選び、緊急時には遠隔操作で対応可能なシステムを採用するといいでしょう。
念のため、手動での精算方法を事前にスタッフに共有することで、システム停止時もスムーズに対応できます。
まとめ
各注意点のチェックリストを作成しています。
こちらのチェックリストを活用し、クリニックの状況に合った適切なシステムを選びましょう。
また、自動精算機を選定する際は、クリニックの診療方針や運営スタイルに適しているかを慎重に判断しましょう。
- 小規模クリニック:必要最小限の機能で低コストの自動精算機を選定
- 中規模以上のクリニック:電子カルテ・レセコンとの連携がスムーズな自動精算機を導入
- 患者数の多いクリニック:高速処理・多様な決済対応が可能な自動精算機を選択
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- スタッフの操作なしで、患者さんが自分で会計可能
- 受付業務を大幅に軽減し、業務効率アップ
クリニックのニーズに合わせて、最適な会計システムを選びましょう!
<参考サイト・文献>
令和2(2020)年受療行動調査(概数)の概況|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jyuryo/20/dl/gaikyo-all-g.pd
著者PROFILE

- 医療機器メーカー営業としてキャリアをスタートした後、医療ITベンチャーにて生活習慣病向けPHRサービスのプロダクトマーケティング責任者をはじめ、メルプWEB問診の事業責任者を経験。その後、クリニック専用の自動精算機・自動釣銭機の商品の企画・開発を手がけ、現在は「医療を便利にわかりやすく」をミッションにスマートクリニックの社会実装に向け同事業の企画・推進を担当。
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