クリニックでの自動精算機の操作方法!使い方がわからない患者さまへの対応

クリニックでの自動精算機の操作方法!使い方がわからない患者さまへの対応

「自動精算機の使い方がよくわからない」

「患者さまに自動精算機の使い方を教える手間を省きたい」

といったお悩みはありませんか?

自動精算機は、クリニックでも導入が進んでおり見かける機会が増えました。

自動精算機は会計処理を迅速かつ正確におこなえるため、医療DXの推進にともない今後ますます増えていくでしょう。

自動精算機の使い方としては、バーコードやQRコードを読み取り、表示された金額を支払うのみであるため、会計の作業が簡単です。

しかし機械が苦手な方やご高齢の患者さまは操作に戸惑うことも少なくありません。

この記事では、自動精算機の基本的な使い方や患者さまへの対応方法などを解説します。自動精算機の使い方を覚えて、業務の効率化を目指しましょう。

自動精算機のクリニックでの使い方!4ステップ

自動精算機の基本的な使い方は、以下の4つのステップで構成されています。

それぞれのステップについて、くわしく説明していきましょう。

手順

内容

注意点

1.バーコードやQRコードを読み取る

診察券や会計票を読み取り、会計の情報が転送される

汚れていたり、折れ曲がっていたりすると、読み取れない可能性がある

2.医療費が表示される

画面に支払う金額が表示される

金額が普段と大きく異なる場合は確認する

3.支払いをする

医療費を支払う

・現金

・クレジットカード

・電子マネー

支払い方法によって操作が異なるため、画面の指示に従う

4.領収書や明細書を受けとる

支払い完了後、領収書や明細書を受け取る

領収書は確定申告などで必要になる場合がある

自動精算機は、スーパーやコンビニにもあるので使い慣れている人も多いでしょう。

クリニックの場合は、診察券や会計票(会計の計算が終わりを知らせる用紙)にあるバーコードやQRコードのスキャンにより、ご自身の会計情報がわかります。

バーコードやQRコードをスキャンすると、レセプトコンピュータが会計データを連携します

表示された金額を現金やキャッシュレス決済で支払います。料金を支払うと、領収書と明細書が出力され会計は完了です。

領収書と明細書には以下のような違いがあります。

 

  • 領収書:医療費を支払ったことを証明する(医療機関名、日付、支払金額、患者名などが記載される)
  • 明細書:患者さまが受けた診療の内容や料金の詳細が記載される

 

自動精算機の導入により、会計作業にスタッフがかかわる必要がなくなるため、業務の負担が軽減されるでしょう。

自動精算機でのクレジットカードの使い方

クレジットカードによる支払いは現金を持ち歩く必要がなく、高額の支払いも手軽にできる便利な支払い方法です。

自動精算機でのクレジットカードの利用方法は、スーパーやコンビニでの利用方法とほとんど変わらず、カードと暗証番号がわかれば利用できます。

ただし、自動精算機側のトラブルや、クレジットカード側の原因でうまく使用できない場合もあるので気をつけましょう。

くわしい使い方は、関連記事をご確認ください。

関連記事:病院の自動精算機の使い方4ステップ!クレジットカードの使い方も解説

 

自動精算機の使い方がわからない方への対応手法

自動精算機は、スタッフの会計業務の負担が軽減される便利な機械です。

しかし、機械が苦手な患者さまにとっては、操作に不安を感じることもあるでしょう。

クリニックのスタッフは、そうした患者さまに以下のような対応が必要です。

  • 自動精算機に案内板を設置しておく
  • 患者さま対応のスタッフをあらかじめ決めておく
  • よくある患者さまの声を集計して対応する

それぞれ、くわしく説明していきます。

自動精算機に案内板を設置しておく

自動精算機に操作手順を示した案内板を設置しましょう。

図や写真が入った案内板があれば、初めて操作する患者さまでも不安なく操作が可能です。

案内板は、誰が見てもわかるように、文字の大きさや色使いを工夫しましょう。

外国人の患者さまが多ければ、英語や中国語といった外国語の案内板があるとより親切です。

また、設置の際は、設置場所を業者に確認しておくと、効果的な案内板のデザインや設置方法についてアドバイスが得られるでしょう。

患者さま対応のスタッフをあらかじめ決めておく

自動精算機の操作に困っている患者さまに迅速に対応するため、次のような特性を有したスタッフを配置すると良いでしょう。

  • 自動精算機の操作が得意なスタッフ
  • コミュニケーション能力の高いスタッフ

あらかじめ対応するスタッフを配置しておくと、患者さまが困ったときにすぐに対応できます。

患者さまの安心感が高まるだけでなく、ほかのスタッフは違う業務に集中でき、業務の負担が軽減されるでしょう。

また、専門のスタッフを配置すると、機器にトラブルが発生した場合にすぐに対応できるメリットもあります。

業務が忙しく込み合う時間帯も、人員の余裕があれば2名以上のスタッフを配置できると、スムーズな会計作業ができるでしょう

よくある患者さまの声を集計して対応する

よくある患者さまの声を集めて、自動精算機の使い方をどう感じているのか、どのような部分に支障を感じるのかなど、実態を調査して事前にその問題点を解決しておくと、経験値として活かせるため、患者さまへの対応の質が向上します。

患者さまの声の集め方は以下のものがあります。

  • アンケート調査の実施
  • 意見箱の設置
  • スタッフによる聞き取り
  • 評判や口コミなどオンラインでの収集

これらをうまく活用し、自動精算機の使いやすさや、良い点、悪い点といったリアルな声を集めましょう。

患者さまのその意見をもとに自動精算機をうまく操作できる環境を整備できれば、患者さまの満足度の向上につながるでしょう。

自動精算機をクリニックに導入するメリット

自動精算機は高額なため、導入に踏み切れないクリニックもあるでしょう。

しかし、導入により、クリニックにとって以下のようなさまざまなメリットが得られます。

  • 会計の待ち時間を短縮できる
  • 業務を効率化する
  • 感染リスクを軽減できる
  • お金の受け渡しミスの軽減につながる
  • スタッフが定着しやすくなる
  • 外国人の患者さまの会計をスムーズにできる

それぞれくわしく解説していきましょう。

会計の待ち時間を短縮できる

自動精算機を導入すると、患者さまの会計の待ち時間を短縮できます

厚生労働省の調査では、病院で診察前の待ち時間が長いほど、不満を感じる患者さまは全体の23.9%となっています。

診察までの待ち時間が長いうえに、会計でも待ち時間が発生すると、患者さまの不満が大きくなります。

あまりにも長い待ち時間はクレームに発展する可能性があるでしょう。

そのため、自動精算機の導入により、診察後の患者さまの待ち時間は短縮され、クリニックに対する満足度は高くなります。

業務を効率化する

自動精算機を導入すると、医療事務スタッフの会計業務をおこなう手間が減り、別の業務をおこなえるため業務の効率化が見込めるでしょう。

クリニックの医療事務は、会計業務のほかに以下の業務をおこなっています。

会計業務

内容

受付

来院された患者さまの受付対応

保険証確認

保険証の記号・番号などを確認

電話対応

患者さまや業者など、さまざまなジャンルの電話対応

予約管理

予約受付をしているクリニックは予約を管理

会計入力

診療した会計を正しく入力し請求を確定

レセプト業務

診療行為や病名の不備などの確認

診療補助

簡単な診療の補助

これらの業務量をマルチタスクでおこなう必要があるため、業務が多くミスにつながりやすくなります。

会計業務の負担がなくなるだけでも、その分別の業務がおこなえるため、業務の効率化につながるでしょう。

感染リスクを軽減できる

自動精算機の導入により、感染リスクを軽減できます

コロナ禍を経て、対面で人と接することに抵抗を感じる患者さまもいるでしょう。

タッチパネルを触ることに抵抗を感じる可能性があるため、使用の前後はアルコール消毒を徹底すると安心して使用できます。

自動精算機による会計作業では、人と接する必要がないため、必然的に感染リスクは減少するでしょう。

お金の受け渡しミスの軽減につながる

会計作業では、どんなに気をつけていてもヒューマンエラーでお金の受け渡しミスが起きます。

自動精算機を導入すると、自動でお金の受け渡しができるため、ミスの軽減につながります

会計業務では、毎日現金の計算をおこないますが、計算が合わないと帰れないというクリニックも多いのではないでしょうか。

自動精算機は、おつりの受け渡しだけでなく、現金の計算も自動でおこなうため、こうした面でも医療事務スタッフの負担は軽くなるでしょう。

また、自動精算機の導入により、現金だけでなくキャッシュレス決済を利用できるため、会計作業をさらにスムーズに完了できるでしょう。

スタッフが定着しやすくなる

自動精算機を導入すると、スタッフが定着しやすくなる傾向があります。

医療事務のスタッフの中には、業務の多さについていけず、辞めてしまうケースも少なくありません。

自動精算機の導入により、業務が改善されます。スタッフの満足度が高まり、離職率にも影響するでしょう。

経験豊富なスタッフの継続雇用につながり、頻繁にスタッフを募集する必要がなくなります。

スタッフが変わらないため、クリニック全体の雰囲気もよくなるでしょう。

外国人の患者さまの会計をスムーズにできる

自動精算機の多言語対応の機能により、外国人の患者さまへの対応がしやすくなります。

クリニックによっては、外国人の患者さまの受診が多くなり、対応に苦慮しているところもあるでしょう。

自動精算機は、英語だけでなく、さまざまな言語に対応しているため、外国人の患者さまでも母国語での利用が可能となり、安心感が得られるでしょう。

また、多言語音声対応の自動精算機では、よりスムーズな会計が期待できます。

まとめ

会計作業を迅速かつ正確におこなえる自動精算機は、現在クリニックでも広く導入されており、今後もさらなる普及が見込まれます。

自動精算機の操作に慣れていない患者さまでも、案内板の設置や専門スタッフを配置することで、1人でもスムーズな会計ができるようになります。

また、自動精算機には待ち時間の解消や業務効率化など多くのメリットがあるため、患者さまもスタッフも高い満足感を得られるでしょう。

MEDIREGI-セミは、運用の安定化を徹底サポートし、クリニックの業務効率化にコミットできます。

クリニックの業務効率化と患者満足度向上を目指しましょう。

 

参考サイト・文献

「令和2(2020)年受療行動調査(概数)の概況」|厚生労働省

 

著者PROFILE

スマートクリニック事業推進室長 原拓也
スマートクリニック事業推進室長 原拓也
医療機器メーカー営業としてキャリアをスタートした後、医療ITベンチャーにて生活習慣病向けPHRサービスのプロダクトマーケティング責任者をはじめ、メルプWEB問診の事業責任者を経験。その後、クリニック専用の自動精算機・自動釣銭機の商品の企画・開発を手がけ、現在は「医療を便利にわかりやすく」をミッションにスマートクリニックの社会実装に向け同事業の企画・推進を担当。