医事会計システムと自動精算機の連携による5つのメリット
- 2024年8月23日
- 自動釣銭機・セミセルフレジ
2024年度から、レセプト請求がすべてオンライン化され、医療会計システムがなければ、医療機関で患者さまの診療内容を入力したり、レセプトを保険者に請求したりすることができません。
医事会計システムはこのように医療機関では不可欠なものとなっていますが、さらに自動精算機と連携することで、会計内容が自動精算機に反映され、よりスムーズな会計作業が可能になります。
この記事では、医事会計システムや自動精算機と連携するメリットについてくわしく解説します。医事会計システムと自動精算機の連携により、業務の効率化を図りましょう。
目次
クリニックの医事会計システムとは
医事会計システムは、医療機関がおこなうレセプト業務を効率的に管理するためのソフトウェアです。ここでは、以下の内容をポイントに解説します。
- 医事会計システムとレセコンの違い
- クリニックの医事会計システムの機能
- クリニックの医事会計システムの比較ポイント
2024年度から、審査機関(*)への提出はオンラインでおこなうことが義務付けられました。
そのため、現在ほとんどのクリニックで医事会計システムが導入されています。
(*)審査機関:毎月レセプトを提出する機関で保険者に送る前に点検をおこなう場所
医事会計システムとレセコンの違い
医事会計システムとレセコン(レセプトコンピュータ)は、言い方は違いますが同じものを指しています。
医事会計システムは、医療機関でおこなうレセプト業務をシステム化したもので、レセプト業務をおこなうため、レセプトコンピュータ(レセコン)とも呼ばれます。
クリニックの医事会計システムの機能
医事会計システムには、多くの機能が備わっており、そのなかの主な機能を紹介します。
主な機能 |
特徴 |
患者登録 |
患者さまの保険証情報や連絡先などを登録して管理 |
レセプト業務 |
診療内容に基づいて診療報酬を算定し、診療報酬明細書を作成 |
レセプトチェック |
レセプトに誤りがないかを機械的に点検するツール |
外来の受付 |
患者さまの受付業務を効率化し、待ち時間を短縮 |
予約の管理 |
患者さまの予約を一元管理し、スムーズな診療をサポート |
入退院の管理 |
入院患者さまの有料個室や食事料の管理 |
関連機器との連携 |
自動精算機や電子カルテとの連携が可能 |
帳票出力 |
請求書や明細書、紙レセプトを出力 |
入金管理 |
患者さまの支払状況と未収金の有無を管理 |
初めて受診した患者さまは、患者登録画面でIDを取得し、情報を入力して診察が可能です。
ほかにも、外来や入院の管理、レセプトや入金業務など、医療事務に関する幅広い業務に対応しています。
また、電子カルテと医事会計システムが一体型のものもあり、医師が電子カルテに入力した情報を、そのまま会計情報として反映できるシステムもあります。
さまざまなシステムがあるため、クリニックの運営に合わせたシステムを選択することが大切です。
クリニックの医事会計システムの比較ポイント
クリニック向けの最適な医事会計システムを選ぶ際には、以下のポイントを確認しましょう。
- クリニックに合ったシステムか
- 自動精算機や電子カルテと連動できるか
- レセプトチェック機能が充実しているか
医事会計システムは、機種によって使いやすさや機能が異なります。
必要な機能を検討し、スタッフが使いやすいものを選びましょう。
機能についてはオプションで付けられる場合もあるため、ベンダーに相談してみてください。
クリニックでは、さまざまな機器との連動が必要です。
新しく医事会計システムを導入する場合は、今後の拡張性も考慮して多くの機器と連動できるものを選びましょう。
また、導入する前に、既にある自院のシステムと連携が可能かも確認しましょう。
レセプトのチェック機能もあると便利です。機械的に入力内容をチェックするため正確性が向上し、審査機関による減算を防ぐことも可能です。
これらのポイントを押さえ、クリニックのニーズに合ったシステムを導入することで、日々の会計業務を効率的におこなうことができます。
クリニックの医事会計システムと自動精算機の連携による5つのメリット
医事会計システムと自動精算機の連携による具体的なメリットについては、以下の5つが考えられます。
- 業務の効率化
- 患者満足度の向上
- 人件費の削減
- セキュリティの強化
- スムーズな情報共有
それぞれくわしく解説していきます。
業務の効率化
医事会計システムと自動精算機の連携により、会計作業自体が迅速になります。
自動精算機の導入によりヒューマンエラーが減少し、クリニック全体の業務効率がアップするでしょう。
患者さまが自動精算機を操作すると、医事会計システムから会計情報が呼びだされ、瞬時に診療費の支払いができるため、会計業務に費やす時間の短縮が可能です。
スタッフが会計作業をおこなう必要がなくなるため、結果的にクリニックでのコスト削減につながります。
患者満足度の向上
医事会計システムと自動精算機の連携によって会計業務がスムーズにおこなわれるため、患者さまの待ち時間も短縮されます。
会計待ちが長引くと患者さまのストレスが増えますが、自動精算機の導入によりこの問題を解消できるでしょう。
これによって患者満足度が向上すると、ネット上で良い口コミが書かれ評判がよくなったり、リピーターが増えたりするなどメリットが得られます。
人件費の削減
会計業務の自動化により、スタッフの負担が軽減されます。
スタッフは忙しい時間帯では会計業務をほかの業務とマルチタスクでおこなう必要があり、そのこと自体がミス発生の原因になることもあります。
医事会計システムと自動精算機の連携により、スタッフは受付やレセプトなど会計作業以外に時間を費やすことができ、その分、集中できるでしょう。
自動精算機の導入は初期投資が必要ですが、長期的に見れば人件費の削減につながる可能性があります。
医事会計システムと自動精算機の連携により、将来的にクリニックの経営効率のアップが期待できます。
セキュリティの強化
患者さまの個人情報が厳重に保護されます。
自動精算機の導入により、スタッフを介することなく患者さまがご自身で支払いができるため、ヒューマンエラーで個人情報が漏洩するというリスクが軽減します。
また、自動精算機のスタッフ側の操作にはパスワードが必要で、セキュリティが強化されるため、不正行為を防止でき、クリニックの信頼性が向上します。
スムーズな情報共有
医事会計システムと自動精算機の連携により、患者さまの支払情報の共有がスムーズにおこなえます。
これにより、患者さまの未収金の情報を一元管理でき、問い合わせにも迅速に対応できます。
また、次回の予約情報もわかるため患者さまの受診忘れを防げるでしょう。
医事会計システムと自動精算機とで情報が統合されることで、スタッフ間での情報共有も強化され、医療サービスの質が向上します。
クリニックの医事会計システムと自動精算機の連携によるデメリット
医事会計システムと自動精算機を連携させることには、メリットだけでなく、以下のようなデメリットもあります。
- 導入や連携に費用がかかる
- 運用に慣れるまでに時間を要する
- 災害時や停電時に使用できない
それぞれ、くわしく解説していきましょう。
導入や連携に費用がかかる
医事会計システムと自動精算機の連携には、初期導入費用や運用費用が発生します。
とくに、システムのカスタマイズや機器の購入にはある程度のコストがかかるでしょう。
自動精算機を導入する場合には、クリニックに合ったシステムかどうかを見極めることでコストの削減につながります。
また、自動精算機の導入には補助金が使える場合があります。
補助金制度をリサーチして、うまく活用しましょう。
事前に費用対効果を十分に検討し、導入後の運用計画を立てて、計画的に機器を導入することが大切です。
運用に慣れるまでに時間を要する
新しいシステムの導入には、スタッフがその運用に慣れるまでに時間がかかります。
そのため、導入前に十分な研修をおこない、システムの操作に慣れることが重要です。
また、新しく自動精算機を導入する場合は、患者さまの受診の流れが従来と変わるため、新しく運用手順を構築する必要があります。
操作に慣れるまではサポート体制を整えるようにしましょう。
ベンダーや操作に慣れたスタッフを配置して、不慣れなスタッフがスムーズに業務できるような支援体制を整えておくと安心です。
災害時や停電時に使用できない
医事会計システムや自動精算機は便利なシステムですが、停電時や災害時には使用できない可能性があります。
災害時や停電時にシステムが使えないと混乱をきたす恐れがあります。万が一に備えて、システムが使えない場合のマニュアルを作成しておきましょう。
トラブル時に慌てないように、紙ベースの運用を検討しておくと安心です。
また、非常用電源を確保したり、バックアップの会計方法を用意しておくことも重要です。
まとめ
クリニックで医事会計システムと自動精算機を連携させることで、業務効率の向上や患者満足度の向上、人件費の削減などのメリットが期待できます。
連携により、クリニックの業務が効率化され、より質の高い医療サービスを提供することが可能です。
一方で、導入には費用がかかり、運用に慣れるまでには時間がかかるといったデメリットはありますが、十分な対策をとれば問題なく使用できるでしょう。
クリニックの業務を効率的におこなうために、医事会計システムと自動精算機の連携を検討してみてはいかがでしょうか。
MEDIREGIは、運用の安定化を徹底サポートし、クリニックの業務効率化にコミットできます。クリニックの業務効率化と患者満足度向上を目指しましょう。
著者PROFILE
- 医療機器メーカー営業としてキャリアをスタートした後、医療ITベンチャーにて生活習慣病向けPHRサービスのプロダクトマーケティング責任者をはじめ、メルプWEB問診の事業責任者を経験。その後、クリニック専用の自動精算機・自動釣銭機の商品の企画・開発を手がけ、現在は「医療を便利にわかりやすく」をミッションにスマートクリニックの社会実装に向け同事業の企画・推進を担当。
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