クリニックにおすすめなのは自動精算機?セルフレジ? その違いを比較
- 2024年7月26日
- 自動釣銭機・セミセルフレジ
「自動精算機とセルフレジの違いは?」「クリニックにどの精算機が合っているかわからない」こんな疑問はありませんか?
クリニックの受付業務は受付対応や会計処理、患者情報の管理など多岐にわたり、人員が不足していたりすると、スタッフにとって大きな負担になることがあります。
また、その業務が滞れば患者さまの待ち時間が長くなる原因となります。
クリニックには多くの患者さまが訪れ、会計処理に時間がかかることもしばしば。
こうした問題を解決するため、自動精算機の導入が注目されています。
この記事では、自動精算機とセルフレジの違いやそれぞれのメリット・デメリットを比較しました。
会計業務において、患者満足度の向上やスタッフの負担を軽減したいとお考えのクリニックは、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1. 自動精算機とセルフレジの基本的な定義と機能
自動精算機とセルフレジは、機能面で違いがあります。
種類 |
特徴 |
自動精算機 |
・患者さまだけで精算をすべておこなう ・会計時にスタッフが操作する必要はない |
セルフレジ |
・スタッフが一部操作し患者さまに精算してもらう ・会計時はスタッフがセルフレジを操作する必要がある |
自動精算機とセルフレジの違いは、スタッフが会計作業にかかわるかどうかです。まず、それぞれの機能と特徴について解説していきます。
自動精算機とは
自動精算機は、会計処理をすべて自動化するための機械です。
診察後の会計処理に利用され、患者さまが診察券やQRコードを読み取り機にかざし、診療料や薬代を現金やクレジットカードで支払います。機種によっては、保険証の更新や次回予約の確認も可能です。
スタッフがいなくても、患者さまだけで迅速かつ正確に精算ができるため、会計の業務の負担が軽減されるでしょう。
セルフレジとは
セルフレジは、スタッフが機械を操作して、患者さまが自分で会計をおこなうためのシステムで、受付窓口に設置されることが多いです。
実際には、処方箋や診療費の明細書をスキャンして支払いをおこないます。
クリニックの契約によっては、現金のほかに、クレジットカードや電子マネーなどが利用可能です。
セルフレジを導入することで会計処理のスピードが向上し、スタッフの介入を抑えられるでしょう。
2. クリニックにおけるニーズと要件
一般的なクリニックの受付業務は次のとおりです。
- 受付対応
- 保険証確認
- 患者情報の管理
- 予約管理
この受付業務のほかに、会計処置やレセプト業務、予防接種対応などさまざまなものがあり、手作業でおこなわれます。
とくに、診療後の会計処理は、患者さまの待ち時間に影響する場合が多く、効率化が求められるでしょう。
また、診療科目によって、来院される患者さまの年齢層はさまざまです。
そのため、クリニックの傾向に合わせた自動精算機の導入や対応が求められます。
比較的、高齢世代が多い場合は、操作が簡単でわかりやすいもの。一方、小児科では、できるだけ子どもを待たせたくない保護者が多いことから、アプリ決済など、より迅速な対応ができるものが求められるかもしれません。
スタッフの業務負担を軽減することは、クリニック運営の効率化につながります。自動精算機の導入により、スタッフが会計処理に費やす時間を削減でき、ほかの重要な業務に集中できるようになります。結果的に患者さまの満足度向上に影響してくると考えられます。
3. 自動精算機のメリットとデメリット
自動精算機は、スタッフがいなくても患者さまだけで精算が可能です。そのため、会計業務の効率化が図れるという大きなメリットがありますが、デメリットも存在します。
メリット |
デメリット |
・患者さまの待ち時間短縮 ・スタッフの業務負担軽減 ・精度の高い会計処理 |
・機械に不慣れな患者さまへの対応 ・高額な導入費用 ・システムトラブル時の対応 |
メリット
自動精算機の導入により、患者さまは自分で会計をおこなえます。
会計がスムーズになるため、患者さまの満足度が向上するでしょう。
また、自動精算機は会計処理を自動化するため、スタッフはほかの業務に集中できます。
会計処理を正確かつ迅速におこない、ヒューマンエラーも減少させます。
これにより、クリニックの運営効率が向上するでしょう。
デメリット
自動精算機は、機械が苦手な患者さまにとっては、操作が難しい場合があり、スタッフのサポートが必要となることもあります。その対応として自動精算機のそばに分かりやすい手順書を掲示しておくことも有効です。
初期費用が高額であり、1台の導入で約200万~500万円かかる場合もあります。そのため、規模の小さいクリニックにとって、自動精算機の導入は負担となることがあります。
予算の確保が難しい場合は、補助金の利用も視野に入れておきましょう。
また、自動精算機にはシステムトラブルがつきものです。あらかじめ非常時の体制を整えておくことで、落ち着いて対応ができるでしょう。
4. セルフレジのメリットとデメリット
セルフレジはスタッフの簡単な操作で、患者さまが自分で会計をおこない、スタッフの業務負担が軽減されることがメリットです。
ほかにも以下のようなメリットやデメリットもあります。
メリット |
デメリット |
・患者さまが会計をおこなえる ・柔軟な支払方法を提供 ・低コストで導入が可能 |
・機械に不慣れな患者さまへの対応 ・セキュリティのリスク ・システムトラブル時の対応 |
メリット
セルフレジの利用により、患者さまは自分でスムーズに会計できます。
また、セルフレジは現金やクレジットカード、電子マネーなどさまざまな支払い方法に対応可能です。
経済産業省の「2023年のキャッシュレス決済比率」によると、支払全体の約4割がキャッシュレス決済でした。
そのため、セルフレジの導入が患者さまのニーズに応えるだけではなく、患者さまの未払い対策にもなります。
また、セルフレジの初期費用は約100万~150万円で、自動精算機に比べて安いため、クリニックの予算に応じて選べます。
デメリット
セルフレジの操作に慣れていない患者さまに対してスタッフがサポートする必要があるため、すべてを自動化するのは難しいでしょう。
くわえて、セルフレジは現金やクレジットカードの情報を扱うため、セキュリティのリスクがあります。
とくに、第三者による不正アクセスやデータ漏洩のリスクを考え、セキュリティ対策をしましょう。
また、自動精算機と同じように、セルフレジにもシステムトラブルがつきものです。
5. 自動精算機とセルフレジの比較
自動精算機 |
項目 |
セルフレジ |
約200万~500万円 |
導入コスト |
約100万~150万円 |
月5万円程度 |
保守・サポート |
月5万円程度 |
タッチパネルが多い |
操作の容易さ |
スタッフの操作が必要 |
操作が患者さまで完結する |
患者さまの利便性 |
支払方法の多様性 |
スタッフの負担が軽減 |
スタッフの負担 |
会計の都度対応する |
導入コストは自動精算機の方が高額で約200万~500万円、セルフレジは約100万~150万円となっています。
自動精算機の方が、機能が充実していることが理由です。
保守・サポートに関しては大きな違いはなく、どちらも月に5万円程度の費用がかかります。
自動精算機とセルフレジのどちらも定期的にメンテナンスする必要があり、トラブルが起きた場合は業者に対応を依頼することになります。
自動精算機は、タッチパネルで操作しやすいものが多く、患者さまのみで会計ができます。
ただし、機械が苦手な患者さまにとっては不安を抱かれる可能性があり、はじめは丁寧に説明したり、手順を掲示しておくとわかりやすいでしょう。
一方、セルフレジは、スタッフの操作が必須です。
また、キャッシュレス決済を選択できることが多く、支払方法の選択肢が増えます。
支払い操作に関しては、そばにスタッフがいるため、不明な点は質問しやすいでしょう。
セルフレジよりも自動精算機の方が会計処理を完全に自動化できるため、よりスタッフの負担は軽減しやすいといえるでしょう。
自動精算機、セルフレジともに、操作が不安な患者さまのサポートは必要になります。
6. クリニックの規模やニーズに応じた選択肢
クリニックの規模が大きければ自動精算機、規模が小さければセルフレジがおすすめです。
患者数が少ない小規模なクリニックでは、導入コストや運用費用を抑えたい場合が多く、セルフレジの導入が適しているでしょう。
ただし、操作に不慣れな患者さまへのサポートのために、スタッフの配置には配慮が必要です。
大規模なクリニックでは、多数の患者さまが訪れるため、自動精算機を導入して効率的な会計処理をおこないましょう。
また、セルフレジも併用すると、ピーク時の対応力を高められます。複数のシステムを統合し、効率的な運用を目指すことが重要です。
クリニックの規模やニーズを考え、最適なシステムを導入しましょう。
種類 |
特徴 |
おすすめのクリニック |
自動精算機 |
・正確かつ迅速な会計処理が可能 ・導入コストが高い |
大規模なクリニック |
セルフレジ |
・柔軟な支払方法が選択可能 ・比較的導入コストが低い |
小規模なクリニック |
7.まとめ
このように、自動精算機やセルフレジの導入は、クリニックの受付業務の効率化に役立ちます。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解し、クリニックの特性やニーズに合わせた機種選択をおこなって患者満足度の向上とスタッフの負担軽減を実現しましょう。
MEDIREGIは、フルとセミセルフの2つの選択肢があります。フルでは、完全に自動化された会計処理がおこなわれ、スタッフの介入が最低限に抑えられます。セミセルフでは、患者さまが自分で一部の会計処理をおこない、スタッフのサポートも受けられるため、操作に不慣れな患者さまでも安心して利用できるためおすすめです。
参考サイト・文献
2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました|経済産業省
著者PROFILE
- 医療機器メーカー営業としてキャリアをスタートした後、医療ITベンチャーにて生活習慣病向けPHRサービスのプロダクトマーケティング責任者をはじめ、メルプWEB問診の事業責任者を経験。その後、クリニック専用の自動精算機・自動釣銭機の商品の企画・開発を手がけ、現在は「医療を便利にわかりやすく」をミッションにスマートクリニックの社会実装に向け同事業の企画・推進を担当。
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